火曜日

量子熱伝導:ふとしたことでやりはじめて1ヶ月だが、最初の山が来たようだ。問題の核心が言葉になった。温度の異なる二つの量子平衡系を接触させて時間発展させたときの振る舞いは、今のところ、(特殊なのをのぞいて)4つに分類できる。

type 1は、 もとに近いところでぶるぶる震えている。
type 2は、 エネルギーが移動するものの途中でとまる。
type 3は、 (平衡状態のエネルギー配分に)緩和する。オンサーガー係数は0だが、ボルツマン=プランクtype の素早い緩和をする。
type 4は、 (平衡状態のエネルギー配分に)緩和する。オンサーガー係数が有限の「僕たちが見慣れた」緩和をする。

なんと、平衡状態に緩和する場合でも、type3 と type 4 がある。特異摂動の言葉を使って、式でちゃんと示せる。type 3 が、田崎さん・原さんや、橋本さん・岡さんがいっているのと対応する緩和であろう。オンサーガー係数がゼロなのに緩和するのが変に思っていたが、それはgeneric であることを納得して、なるほどこれこそが田崎さん・原さんの主張だったのか、と話がつながった。オンサーガー係数がゼロという対応が新しいと言えば新しい。古典の場合は、特殊なのをのぞくとtype4しかないので、type 3はそもそもない。(ちなみに、先週までは、ここでは全部のぞかれている、特殊なものばかりと戦っていた。計算できるように保存量がたくさんある模型をやっていたが、いやぁ、そういうのはダメだな。)type 3の数値デモは持っている。計算時間たったの9秒。残念ながらまだ type 4の緩和を明示的に示せていない。やらせでいいからつくろう、としている。type3-> type 4 転移とかは凄く面白い気がする。type1-> type 3転移は、詳細に調べれる状態にあるので、これでも十分に面白い。

昨夜、うたた寝しながらよく見えなくて、深夜まで事務仕事をして、朝起きて電車に乗っている10分の間にtype 3 の一般性が降りてきた。

夜遅くまで、type3 --> type 4 問題をやってしまった。(本は後回し。事務書類はボチボチ。)無茶苦茶変な極限をとればできるかもしれない。(ビール飲みながら出した案だから、間違っているか。)あとは、物理をちゃんと考えることだが、難しい。ちなみに、60年代の研究では、type 4 が常識になっている。(導出はボロボロであまり参考にならないけれど。)古典ではtype 4なのだから、古典極限がとれる模型なら確実にtype 4 になるはずなのだが、それは面倒だしなぁ。できるだけ、一般性を保ったまま、簡単なところで筋をみたい。type3 が自明に見えてしまうと、type 4 が不思議で仕方ない。