土曜日

金曜日、ローレンツ祭(オープンラボ);土曜日、大学院入試説明会。今年も扉を開けていただが、30人の訪問者があった。

木曜日夜に書いたノート。金曜日の朝に打ち出してざっとみる限り、いいように思えた。気分よくオープンラボに臨んで、夜に帰宅して、丁寧にチェックする。うーん、これはダメだなぁ。。一か所、とある「仮定」は、成立しないなぁ。計算間違いも色々あったので、それらを直して、深呼吸して見直すものの、修復困難。土曜日の朝、少し方針を変えていくと、仮定をいくつかおくと何とか同じ結果になるが、これは相当に不細工だなぁ。帰宅後、再度、挑戦。不細工な方針をやめて、少し引いたところからいくと、いけたかなぁ。。ノートを書いて、今日の仕事は終わり。

「定常状態を決める変分原理」の結果は、木曜日の夜とものと同じ。ただ、そこに至る論旨は全然違う。今、使っている未証明の「仮定」はひとつだけのはずで、それは物理的にはもっともらしく、あとは全て具体的な摂動計算と現象論的仮定と論証だけのはず。。ただし、論証にはひねりが入るし、摂動もオーダーをまたいだりするので少し複雑だが、慎重にチェックすれば真偽ははっきりする。しばらく忙しいので、火曜日の夜まで寝かすことになるかな。。

ところで、今回の計算のベースになっているのは、定常状態のKN表現である。ただし、それから自然とクラウジウス関係式がでてきるKNST関係式は使わない。(土曜日の朝の汚い論旨のときにKNSTを使っていた。)10年前に似たような問題で変分原理を考えていたとき、KNSTに囚われていたんだと思う。今回、熱力学の拡張は前面に出さすに、虚心に「ターゲット現象」を説明する方針で、様々な方針で取り組むというスタンスで一貫している。4月は流体+高次流体のアプローチで考え抜いた。5月のミクロからアプローチを考えるときもZM表現で十分なはず、と最初はそれでやっていた。ZMで不定になるので、KNまで次数をあげた。目的は、現象の説明であって、熱力学の拡張が目的ではない。(できるなら、それは後からやる。)つまり、全て局所平衡熱力学の言葉だけで変分原理を書くことを目指すべき。10年前にできなくて、今できたとすれば、そいういう方針の違い。(まだできたことが確定したわけではないけれど。)

勿論、今回、中川さんが大域熱力学の新版をつくっていて、それが本当かどうかを検討する、という目的から入っている。しかし、現象論を現象論として研究するのは僕には無理だと判断していて、中川さんの新版も「大枠」の理解だけして細部は以前として保留している。(その大枠がいいような感じがしたので、徹底的にやりはじめたのがこの1年である。)Sasa-Tasakiの現象論も今から見直すと(内的にも)ダメだと思う。凡人が意味のある現象論を構築するためには、徹底的にその枠組みを忘れて、ターゲット現象を説明する、という立場に徹するしかない。また、そのときには、ターゲット現象の選択が大事だ。10年前(KNST), 15年前(Sasa-Tasaki), 20年前(スタート)と違うのは、こういう問題への取り組み方だろうか。20年前からそうしろよ、、と過去の自分に言いたくなるが、ま、見えてなかった、ということだな。