日曜日

熱力学の計算をやった。中川さんが既に提案されている枠組みの方が正しいようだ。中川さんはかなり野心的に広く組んでいるため、前提条件等について、僕の理解がおいついてなかった。むしろ、熱伝導下の相転移に関する変分原理としては、「ほぼ間違いないだろう前提」にたって「論理的な導出」ができている、と思っていいようだ。「(まだ検証されていないが)もっともらしい仮説にたった形式」として受け止めていたのだが、(変分原理に関しては)それよりもずっと強かった。遙か前にノートはもらっていたが、現象論の理解は難しい。他人の書いた現象論は前提が読み切れないし、話を聞いても頭に完全に入るのが簡単ではない。(他人に伝わるように、[前提]と[結果]という形に整理しなおそう。)

僕が今月ミクロからやっていたのは途中まで間違いはないと思うけれど、最後のステップでどうしても「仮定」が入っていて、その妥当性は、熱力学で議論している論旨より弱いと判断せざるを得ない。(それくらい熱力学の議論が強い。)したがって、一度、撤退するのは僕のノートの方だと判断した。結局、3週間くらい回り道というか、違うところを歩いていたけれど、おかげで、僕の理解は深まった。

まぁ、研究結果は、こうやって強くなっていく。ひとつの現象に対して、(高次)流体力学の立場、非平衡統計力学の立場、熱力学の立場で徹底的に考え抜いて、主張の確信度をあげていく。今日で結果の正しさの確信度は8割を超えたかな。(あと、何とかミクロからパスが通ったらなぁ。。実験があったらなぁ。。)