月曜日

朝の電車。large deviation (LD)と熱力学の関わりの復習をする。著者校正がきているLD論文をみると、SST-entropy とそっくりである。温度をきめる変分原理をSST-entropy side からかけているのだから、これをLD の問題に移植できればいい。ふむ、平衡の場合の論理は消化した。

この問題は、僕にとっては5年前からひきずっていることであるが、くしくも10月のデリダさんの講義の最後の最後に提示された open problem でもある。「平衡系では LD は熱力学関数から決まっていた。非平衡定常系で熱力学があって、それが LD を決めることはあるのだろうか?」僕が5年前にそういうことを考えたいと思ったのは、デリダさんの変分原理が”熱力学っぽく”見えたからに他ならない。当時ともかく考えれるとこまで考えたが、全く材料が足らなかった。昨年、再度挑戦したが、目標には達せず、非平衡の2次までの範囲で、LD が過剰エントロピー生成でかけることがわかったところでとめた。今年、KN 表現があって、SST があることがわかって、SST-entropy が明示的になってきたのだから、おそらく、今しかない。

帰りの電車。「こやつの積分表示がこうなること」さえわかれば、ずっと前から欲しかったものに相当に近い、というところまでわかった。「」の部分は算数の問題だから、成り立つなら示せるはずである。どっちからいこう。成り立つと仮定して状況証拠を固めるか。(例えば、具体例で明示的に計算して比べるとか。)「」の部分の算数を頑張るか。どっちからいっても大変楽しいぞ。出来れば、時間がもう少し欲しいところだが、欲はいわずに、できる範囲でやろう。